2008/02/07(Thr)ω^1000 = 1

はてブ数 2008/02/07 20:57 計算機な日記::算数学 つーさ

1の1000乗根について考えてみた。
一体いくつなんだろう、そもそも考えられる範囲に存在するのか?

>あれー、ルート負が出てきたよー
「んなアホな」

今日は、友達と大学の食堂で、期末のラスボスである 数学演習II の対策をしていたところ、計算ミスから話がわき道に逸れて……。

講義中に配られた演習プリントの問題をひたすら解いていたんだ。
まぁ、一応話の発端になった問題を書いておくけど、本筋とはあまり関係ないね。

関数 f(x)が[a, ∞)で連続で、十分大きいxに対して、x^λ * f(x)が有界となるようなλ>1が存在するとき、無限積分∫[a→∞] f(x) dx は存在する。
次の広義積分の存在を調べよ。
1) ∫[1→∞] sin(x)/x^2 dx
2) ∫[-∞→∞] 1 / sqrt(1+x^4) dx
3) ∫[0→∞] e^(-x^2) dx

2問目の計算過程で 1/sqrt(-1) が出てきちゃった。
数演IIは積分学の授業で実数を扱っているんだから、sqrt(-1)はたぶん計算ミス。
>あれー、ルート負が出てきたよー
「んなアホな」
>ちょっと見せて……あ、ここプラスか。何やってんだ俺ω
「(笑)」

>ところでさ、

>1問目は、λ=3/2とおいたんだけど、この問題のλって 1<λ<2ならいいわけよね。
「そうね」
>じゃあ、別に 1001/1000とか、1.000000001とかでもいいわけだ。
「うん」
>本番でこの問題出たら誰かそうしようよ。ギャグでω
「お前がおけばおk」
>あぁ、でも計算面倒だね、xの1000乗根とか出てきちゃうしω
>あれ、そういや、1の1000乗根とかってあるのかな??
「え」

そんな流れだったような気がするんだけど。

1の2乗根は 1と-1と2つ、3乗根もまぁ1と(所謂)ωと共役ωとか3つある。
じゃあ4乗根とか5乗根とか1000乗根とかって、それぞれ4個とか5個とか1000個あるのかなぁ...
まぁ、そんなわけで、1のn乗根について考え始める俺。

まず...

奇数乗根には、実数解って絶対含まれてるよな。
だって、最高次が奇数であるf(ω)のグラフは、ω=(-∞,∞) で f(ω)=-∞,+∞ だし。

偶数乗根はどうなのかな?
f(ω) の最高次が偶数 のグラフって、y>0 とか y<0 になったりするよね。
じゃあ、実数解なかったりすんのかね?
あぁ、でも ω^λ - 1 = 0 って置いたとき、λが何であれ x=1なら満たす、てことは。
じゃあ、偶数次にも奇数次の時も絶対ω=1は含まれてるんだなぁ。

うーん、見えてこない。

んー、(ω^1000-1) でも因数分解してみるか。
= (ω^500-1)(ω^500+1) = (ω^250-1)(ω^250+1)(ω^500+1) ...
えーと... ^^^;;;

話を簡略化して とりあえず (ω^4-1) で(笑
(ω^4-1) = (ω^2-1)(ω^2+1) = (ω-1)(ω+1)(ω^2+1) 。
= 0 とおくと、 ω = 1, -1, と... i, -i か...
うん、確かにどれも4乗したら1になるわな...

複素平面に書いてみると →と←と↑と↓か...
そして あ! と、ひらめく。

あるよ、ある。1の1000乗根は1000個ある。
複素平面上で考えたときって、
-1 を掛けることは極座標のθを+πするってことで、
i を掛けることはθを+π/2することだって考えられるよね。
ってことは、n回回したら、もう一回同じ位置、θ=2mπ になるようなωを考えればいいんじゃないの?!
たとえば、3回回したら2mπになるようなθは θ = 0, π/3, 2π/3で...
うん、その位置はそれぞれ 1, (-1+√3i)/2, (-1-√3i)/2 だ!
複素数平面上に単位円を書いて、その単位円の外周をn等分したところに点を打つ。
その点の位置が 1のn乗根ってこと! おおーー!
よし、スッキリしたから、勉強に戻ろうかね。
あー、超楽しいわ、プログラム組んでる時の感覚に似てる(笑

とか、盛り上がってた。

んで、飯を食って、さっき家に帰ってきたので、改めて式で表してみる。
複素平面上にある単位円の円周上の点であることがわかってる。パラメータはθだ。
つまるところ、cosとsinで表せる。

ω^λ-1=0 の解は k=1...λ を用いて、
 ω = cos(2π*k/n) + i*sin(2π*k/n)

む、この式はどこかで...

さらに、 θ = 2π*k/n とおくと、
  ω = cosθ + i*sinθ

……あれー、オイラーさん、そんなところでなにやってんすか。

というわけで、 1のn乗根、 ω^n-1=0 の解は、

  ω = e^(2πi*k/n) (k=1...n)

とかいう結論が出てきた。
まさか、ここにもeが潜んでいるとは。

というお話。
1の1000乗根はちゃんと1000個あるんだね!